アマチュア無線は素敵だ

noiseがあふれるそんな日は読書で時間を忘れよう

FT-200S(八重洲無線)取説の発掘

 無線設備を2階から1階に移動し、その後ずっと気になっていたことがある。初めての無線機、FT-200Sの取扱説明書が見当たらないのだ。無線機本体と同じ箱に梱包しておけば悩まず済んだのにと、今更30年前を反省しても仕方がない。それが、昨夜ふと思い立った場所があり押入れの隅を突っついてみた。無事発見。

 最近の取説は家電なども含め「はじめに」「目次」「安全上のご注意」となかなか本題に入らないが、40年以上も前の八重洲無線株式会社FT-200Sの取扱説明書はA4で16ページと実にシンプルだ。

 表紙見開きにブロックダイヤグラムアマチュア局を申請する場合に必要となる工事設計書が載っている。次に受信部、送信部の簡単な説明と調整方法が続く。

 

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 最終ページにはシャーシを取り外し上部から撮影した、内部の白黒写真が掲載されている。更にその内部写真に記号が付加されていて、別紙としてA1の半分ぐらいの青焼きの結線図が添付されている。印刷して綴じ込むのではなく、手間と時間のかかる青焼きであるところがすごい。購入者自身が部品の交換や調整、そして10W機を50W、100Wにアップグレードすることを前提にしている。

 

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 過去より、アマチュア無線家達は誰も挑戦したことのない電波の世界に一人一人が切り込んでいくパイオニア的存在だった。余分な部分をそぎ落としたこの取扱説明書はそのアマチュア無線家達にメーカーも敬意を表した作りに思える。