大切な「アマチュア無線入門ハンドブック」
1969年(昭和44年)第4版の「アマチュア無線入門ハンドブック」を久しぶりに開いてみた。アマチュア無線の基礎知識としてコイルの設計と巻き方から始まり受信機、送信機の製作、アンテナの設置、実際の運用、開局の手続き方法などが細かに書かれている。
入門からすでに自作が当たり前だったのだ。それにしても、記事を提供している皆さんのコールはすべて1エリアだ。情報も製作に必要な部品も、今のようにネットでホイホイ簡単に集めることのできる時代ではない。必然的に関東周辺が情報発信の中心になったと想像できる。
記事提供者がどの程度までアマチュアなのかわからないが内容は専門的だ。当時オールインワン機で、お気軽運用していた私にはほとんど理解できない。地方の書店ではこの本をその場で購入することはできなかったと思う。書店に注文してワクワクしながら1カ月ほど待たされたはずだ。
知識も情報もなく、それでも趣味の王様と言われたアマチュア無線にあこがれ必死で資格を取った。
ボロボロになった「アマチュア無線入門ハンドブック」をみると、はじめてCQを出したあの頃が懐かしく思い出される。私には、内容は理解できなくても簡単に処分することのできない大切な一冊だ。