アマチュア無線は素敵だ

noiseがあふれるそんな日は読書で時間を忘れよう

初QSOのこと

 従事者免許を1972年9月に取得し、当時の業務日誌によれば11月3日に7MHzのSSBで初QSOが成立している。47年も前だ。無線機は八重洲のFT200S。アンテナは10mhのダイポールだ。自分で無線機を立ち上げることもできず、見かねた友人がアンテナ設営から無線機の調整まで行ってくれた。知らない人がたくさんやってきて有無を言わせず設営が終了した。

 現在はアイコムのIC7300と2階のベランダに無理やりたてたGPアンテナだ。IC7300は入門者用で無知な私でも気軽に操作でき、ベランダの8mhGPは台風などにも直撃さえなければそう心配はいらない。とにかく手軽で身内や近所を巻き込まずに設営及び撤去ができる事を第一に心掛けた。

 更に業務日誌を見ていくと翌年の1973年3月に海外局との初QSOがSSB記録されている。英語を流暢に話すかなたの外国人に何とか自局のコールサインと信号強度、QTH、オペレーターネームを伝えたことを覚えている。コールサインは聞き取れても、英語を話す外国人はみんなアメリカ人と思い込むほど単純で無知な私は、それからしばらくの間QSOの相手はすっかりアメリカだと信じていた。その後、記念すべき初海外QSO局の「VW」がインドであると知ったのはQSLカードが届いた何カ月も後のことだった。 

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

  • 作者: 伊坂幸太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/04/12
  • メディア: 文庫
 

   平和な日常に非日常が共存する世界が淡々と描かれる。伊坂幸太郎が得意とする分野だ。軽妙なタッチで物語は進むが、反社会的な要素をすんなりと受け入れてしまう民衆が、なんだか哀れで腹立たしい。権力側から見ればレジスタンスもテロとみなされる。「正義の味方」と「平和警察」の物語は浦沢直樹氏の『20世紀少年』にも通じ、ノスタルジックな思いをかき立てられる。本当は怖い単語を、こうした言葉で茶化す言い回しは大好きだ。それにしても東北大出身の作者が機会あるごとに描き続ける仙台市は、なんて魅力的でそして幸せな都市だろうか。