アマチュア無線は素敵だ

noiseがあふれるそんな日は読書で時間を忘れよう

FT-8

 開局以来7,14,21の3バンドを中心に楽しんできた。特に7MHzは狭い帯域の中に多くのアマチュアがひしめき合い、怒鳴りあうあの喧騒が忘れられない。いつの間にかあこがれだった7099より上にバンドプランが広がっていて、潔い静寂とでも言うのかあまりの静けさにむしろ清々しささえ感じてしまう。

 その中でデーター通信のFT8は元気がいい。国内海外を問わず、必ずと言っていいほどどこかのバンドでQSOが成立する。「あそこのおやじがまた何かはじめたぞ」と指を刺されないよにそっとあげた影の薄い日陰の身のGPでも、特にストレスを感じずに楽しめる。ただ、人の介在する余地がそれほど多くなく、ほとんどがパソコン上のソフトで自動的に進んでしまうこの通信の醍醐味はどこにあるのだろう?

 「携帯電話と比べてアマチュア無線てどうなの?」などと言われても反論さえする気にならず、熱く語ればそれはそれで目をそらす友人も多い。アマチュア無線が野菜や卵を道路沿いで一袋単位で売る農家ならあちらは大手デパートだ。扱う商品も仕入先も違うしこちらは従業員や専属バイヤーだのもいないのだ。それでも、売れれば楽しいしやりがいがもある。

 FT8がアマチュア無線の世界を昔の様に活況あふれる時代に戻せるとは思わないが、省電力でアンテナにこだわらずに気軽に楽しめる通信方式は再復活した私のようなものぐさには丁度いい。

そういえば、最近古いコールの方が目立つような気がする。ひっそりと母屋から離れた六畳の和室で二桁コールの方など見つけると、思わずにやついてしまう。

 これだからアマチュア無線はやめられない。 

麒麟児

麒麟児

  • 作者: 冲方丁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: 単行本
 

 まるでサラリーマンの世界だ。実力があっても上司に恵まれなければ出世は望めない。競争を嫌っても避けて通ることは困難だ。将来を見すえての自己犠牲も、つまらないポンコツな組織では評価されない。腐らずに自分や仲間を信じ、信念を貫き通すことが自分を生かす近道なのだろう。それは今も昔も変わらない。