アマチュア無線は素敵だ

noiseがあふれるそんな日は読書で時間を忘れよう

8J1RLはFT8がお嫌いですか?

 アマチュア無線を再開しても、当初のモチベーションを保ち続けることは案外難しい。なので、簡単なところでQSOパーティへの参加やJCC・JCGの収集に目標数を決めてみたり、そもそも趣味にモチベーションなどは必要ないと気軽に考えてもきた。

 2020年10月、よく拝読させていただくJA2WIGさんのブログ「がんばらないけどどうでしょう?」に掲載された「昭和基地からQSLカードが届いた!」を読ませていただき前記したアマチュア無線に対する幾つかの気持ちの持ちように、8J1RL局とのQSOを加えることにした。

 今までそのコールサインを直接耳にする機会はなくただ漠然と、しっかりしたアンテナや高出力の無線設備でないと南極基地とのQSOは無理だろうと思っていたものが「FT8なら何とかなるかも」とそのブログは希望を持たせてくれたのだ。そして、2020年JARL NEWS秋号を読みかえしてみると第61次観測隊の昭和基地からのレポートとして約4,200局の交信内訳が報告されていた。その内容はCW:12%、SSB:2%、FT8:82%、その他:4%というものだった。FT8は82%と断然とびぬけていて「私のようなしょぼい設備でも行けそうだ」と目標はさらに現実味を帯びた。

 2021年JARL NEWS春号には再び南極昭和基地から第62次南極地域観測隊の「南極だより」という記事が掲載された。長く閉ざされた時間、厳しい環境下で様々な任務をこなし、私的な時間を使い8J1RLを運用する隊員のレポートだ。

 そこには、昭和基地と日本とのパスは日本時間で夕方から深夜にかけてになる、最近は21MHzのコンディションが余りよろしくない等の報告があり、その中で「個人的にはPC画面だけでQSOが成立するデジタルモードよりも、CWやSSBでできるだけ多く交信したいと思っています」と書かれている。62次隊は61次隊の運用傾向から大きく変わってしまうのか、報告をしている隊員の他に7名のアマチュア無線を運用できる隊員がいるので全体ではそう大きな変化はないのか、こちらも個人的にすごく気になってしまった。

 確かにPC画面だけで、1clickで交信が成立してしまう実態の薄いFT8の本質的弱点が好きになれない方も多いだろう。ただ、FT8が衰退の一途をたどるアマチュア無線に活路を開きつつあるのも事実だ。

 あなたは、そして「8J1RLはFT8がお嫌いですか?」

 

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