アマチュア無線は素敵だ

noiseがあふれるそんな日は読書で時間を忘れよう

懐かしいコールサインはどこに行った?

 コツコツと古いログを辛抱強くHAMLOGに入力してきた。入力が進むほどに思い出がよみがえってくる。楽しみにしていた夏休みや週末には7MHz、21MHzのSSBで夜遅くまでQSOをしている。初めて聞く声にワクワクしながら、何度も何度も相手局をコールしている自分が手に取るように分かる。

 フリクションペンなどないからログは鉛筆書きだ。書かれたコールサインを消しゴムで訂正している個所や、裏の余白にはコールサインや時間が殴り書きされている。果たして、スピーカーから聞こえる声は自分をコールしているのか、耳を澄まして一喜一憂している様子がわかる。文字が走り踊っている。

 開局から半年も過ぎてくるとローカル局に知り合いが増え、次第にラウンドQSOで楽んだりするようになる。

「楽しかったよな」

 あの頃は、個人情報におおらかでアマチュア局の情報は簡単に手に入った。当たり前だが今ではそうはいかない。総務省のホームページ無線局免許状等情報でも深度の深い情報は見ることは出来ない。それでも、有難い事に無線局に免許が下りているかは確認できる。これはと思う懐かしいコールサインをメモ書きし、一段落したところで総務省のホームページでチェックしてみる。予想はしていたが、20件近く検索したが1人もヒットしなかった。アマチュア無線に興味を持っていた人たちが再免許を申請しないのだから、新しく開局する人はさらに少なくなるのもうなずける。

 距離を超えて、夜な夜な繰り返えされる顔も知らず年齢や職業も違う声だけの集会、いったいどんな話で盛り上がっていたのだろう。

 それはなんだか異様ではあるが、とっても懐かしい心象風景として今でも心の底に残っている。 

f:id:mocume:20190709144823j:plain